日本の伝統色
江戸時代以降、色彩に関心が高まり始め、48茶100鼠といわれるほど、茶と鼠の名をつけた多くの色の名が現れ始めた。色名で色を分け、伝えていくため、多くの色名が増えた。それが日本独特のものとして、伝統色と色名の言葉のもつ係わり合いの微妙な関係として今に伝えられている。
「しろ」「くろ」「あか」「あお」「き」「みどり」「むらさき」などの昔から使われている基本的な色名の範囲がとても広いために、中間に入る色を、二つの色名を合成して表わす様になった。また、様々な色の区別や色の印象を伝えるために表現や工夫がなされてきたので、数や種類が大変多い。その色に着色する顔料や染料の名前をつけたり、その色を連想させる自然や人工物から取ったもの、人名や地名から付けられたものなどいろいろな色名があり、詩的とも思えるものが多いのが日本の伝統色といっても過言ではないと思う。