オセロ

オセロ(Othello)ゲームは、日本人が発明したボードゲームである。発明者は、中外製薬のセールスマン長谷川五郎氏。
命名の由来は、シェークスピアの四大悲劇の一つ「オセロ」。オセロゲームが調和を追及するゲームだからだという。取りすぎても、取られすぎても面白くない。「オセロ」の方も調和の破綻がその内容だからピッタリと言う訳。

二人のプレイヤーが交互に盤面に石を置き、最終的に石の数の多かった方を勝者とするゲームである。ルール上偶然の要素はなく、ゲーム理論では将棋や囲碁と同じく二人零和有限確定完全情報ゲームに分類される。双方が最善を尽くした場合、引分になる可能性が高いと言われている。単純なルールながらゲーム性は奥深く、“A minute to learn, a life time to master”(覚えるのに一分、極めるのに一生)をキャッチフレーズとする。

21世紀初頭の日本におけるオセロの競技人口は9000万人と言われるが、この競技人口にはルールを知っている人全てが含まれていると考えられる。
商品名や商標に厳しいNHKのニュースでは「白と黒の石を取り合うゲーム」と表現された。

遊び方・ルール
オセロの初期配置。図示したように右上が黒石になるよう置き、黒の第一打はf5に打つのが通例である。8×8の升目で構成された盤面を用いる。石は両面が白と黒になっており、黒のプレイヤーは黒い面で、白のプレイヤーは白い面で石を打つ。

まず中央の4升に白と黒の石をそれぞれ2個ずつ互い違いに置き、黒が先手となる。石を打つとき、縦・横・ななめ方向に相手色の石を自色で挟むと、挟まれた石を自色に返すことができる。石を打つときは、一枚でも返せる升にしか打てない。打てる升がない場合はパスとなり、パスの回数に制限はない。打つ場所が両者ともなくなった時点でゲーム終了となる。

なお、「オセロ」の初期配置は図のように石を置くのが公式ルールであるが、後述する「リバーシ」ではそうではない。

オセロでは横の座標をa~hの小文字のアルファベットで、縦の座標を1~8の数字で表す。
a1からh8までの対角線をブラックライン、a8からh1までの対角線をホワイトラインと呼ぶ。

オセロとリバーシ
全世界的には「リバーシ(Reversi)」として知られている。
リバーシはオセロに大変よく似た遊び方と構成をしたゲームでその発祥は19世紀のイギリスである。
諸説あるが、ウォータースンとコレットの二人が先人争いをしている(ウォータースンは、「リバーシは自分の発明したゲーム『アクセイション』の改良に過ぎない」と主張している)。

オセロは8×8の升目で盤面は緑、駒は白と黒に限定されているが、リバーシにおいてはそのような制限はない。また、最初の駒の置き方も、オセロでは白黒を必ず互い違いに置くが、リバーシでは白黒を同じ列に置いたり、最初の4手を中央の4升に交互に自由に置いてもよいし、先手が黒でなく白であってもよい。盤面も8×8でなくてもよいばかりか8角形等正方形である必要もない。そして、リバーシでは「駒」、「(駒を)置く」と呼ぶところを、オセロでは「石」、「(石を)打つ(最初に4枚の石を置くときを除く)」と呼んでいる。
すなわち、リバーシの特別な形がオセロということになる。

日本においては「リバーシ」という名称であってもオセロのルールで行われるのが普通である。
ただし、商標の関係かオセロの配色(濃緑・白・黒)を意図的に避けていることが多い。

ニップ
ニップの盤面。円形のボードを使用する。
オセロと違って、升目ではなく線の交点に石(駒)を置く。あまりメジャーではないが、オセロの派生としてニップが挙げられる。
基本的なルールはオセロと変わらないが、
隅が存在しないので全ての方向(縦、横、ななめに加えて円周も)の石(駒)を返すことができる。
そのため終盤でも展開が非常に読みにくい。

オセロの歴史
リバーシは明治期に日本にも輸入され、「源平碁」(赤と白の駒を使う)および「レヴァルシー」という名前で広まったが、長く楽しまれることはなく廃れた。

その後、1973年に日本の長谷川五郎が独自に現在のオセロのルール及びパッケージを発表した後は、リバーシとオセロは同一のゲームであると認識されている。最初に発売されたオセロの石のサイズは牛乳瓶の紙蓋とほぼ同じ大きさである(これは長谷川五郎が初めてオセロの原型となったものを製作した際牛乳瓶の紙蓋を用いて石を製作したためである。現在も公式試合ではこのサイズを用いる)。名称の由来はシェイクスピアの「オセロ」のストーリーが黒人と白人の関係がめまぐるしく変わる様であることから取ったという。

現在は長谷川のオセロは、ゲーム製品として「オセロ(Othello)」という商品名で各国にライセンスされ発売されている。日本では玩具メーカーのツクダが商標登録を行い発売した。後にオセロに関する権利は子会社のツクダオリジナルに移され、ツクダオリジナルは2003年にワクイコーポレーションと合併してパルボックスとなり、2005年にメガハウスのパルボックス事業部となっている。

大会
全日本オセロ選手権大会や世界オセロ選手権大会など、
幅広く大会が行われている。
ちなみに2006年に行われた第30回世界オセロ選手権大会は、三十(みと)と、オセロの発祥地である水戸をかけて、同市で行われた。

                           出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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