黒点
黒点(こくてん)とは、太陽表面を観測した時に黒い点を散らしたかのように見える部分のこと。太陽黒点(たいようこくてん)とも呼ぶ。実際にはこの部分も光を放っているが、周囲よりも弱い光なので黒く見える。
黒点が暗いのは、その温度が約4,000℃と普通の光球(太陽表面)温度(約6,000℃)に比べて低いためである。発生原因は太陽の磁場であると考えられているが、詳細には解明されていない。
黒点の中の特に暗い部分を暗部、暗部を取り巻くやや明るい部分を半暗部と呼ぶ。また、黒点はしばしば複数個が集まった状態で現れることが多く、このような黒点の集まりは黒点群と呼ばれる。
黒点は太陽の自転とともに東から西へ移動する。大きな黒点群の中には太陽の裏側を回って再び地球から見える側に出てきても消えていない、1ヶ月ほど存在する寿命の長いものがある。
黒点群
黒点群は黒点の集まりのことを指すが、黒点が一つしか無い時(見えないとき)でも「黒点群」と呼ぶ。
黒点群は、その形態によって分類がなされている。大きく分けると双極性黒点群と単極性黒点群があり、双極性黒点群は黒点が東西に広がっていて、群の東側と西側に比較的大きな黒点(極)があるものである。この形態は多くの黒点群に見られる。単極性黒点群は極が一つしかない黒点群で、双極性黒点群の片方の極が消失したものである。
黒点群の細かい分け方にはチューリッヒ天文台の分類があり、東西の広がりなどによりA型、B型、・・・J型などと9種類かに分けられている。
このような分類は、黒点群の活動度を調べる上で重要である。
太陽黒点の400年間の歴史。黒点の数をヴォルフ黒点相対数(en:Wolfer number)の値で集計したもの。1790年から1820年はダルトン極小期(en:Dalton Minimum)、1645年から1715年: マウンダー極小期(en:Maunder Minimum)黒点の数はおおよそ11年周期の太陽活動と密接な関係がある。1755年から始まる活動の山をサイクル1として、現在はサイクル23の極小期を迎えるところである。(2006年現在)
太陽黒点と電波伝播
地球の電離層は、太陽黒点の数に影響を受ける。短波帯以下の電波伝播は電離層の影響を大きく受けるため、無線の通信状態も大きく影響を受ける。
伝説
通常の機材で撮られた写真だが、夕日の中央に肉眼黒点が確認できる。古代の中国では、太陽に「カラス」が住んでいるとした。これは肉眼黒点と呼ばれる肉眼で見ることができる太陽表面の黒点を観察したものと思われる。肉眼黒点は、日食や日没など太陽光が減光された際に稀に見られる現象であり、大きな黒点であれば肉眼で観測できる。この黒点が観測する度に移動していることから、カラスなどの動物が住んでいると思われていた。なお、この太陽に住むカラスの話は、日本にも渡り、日本サッカー協会のシンボルにもなっている「八咫烏(やたがらす)」伝説の基にもなっている。
雑多な話題
太陽黒点の周期とスカートの長さの流行は相関があるといわれている。