ブラックオックス

ブラックオックスは、横山光輝の漫画作品『鉄人28号』およびその派生作品に登場する架空のロボット。鉄人28号のライバルともいうべき存在であり、実写テレビ版を除くすべての映像作品にも登場している。


機体解説
人造人間の技術で生き返ったマッドサイエンティスト不乱拳(ふらんけん)博士が、覆面の怪人達に頼まれて製作した漆黒の怪ロボット。

本来は「鉄人より強く、モノを考えるロボット」というのが設計目標であったが、覆面の怪人と博士に警察の手が伸びた為に急遽「鉄人に対抗できるロボット」として完成をみた。その経緯から、鉄人の弱点を突くことに要点を絞った装備が施されており、鉄人に対する強力なライバルロボとしての地位を得る。自律思考をし意志を持たせる事を目的とした電子頭脳を搭載しており、実験では自律思考による自己判断の試みは失敗したが、それでもプログラム判断による高度な自律行動が可能であり、警視庁襲撃の際は見事に捕まった怪人達を救い、追跡を振り切って帰還してみせた。また強力な電波妨害装置が組み込まれており、遠隔操縦型(リモコン操縦)のロボットを行動不能にしたり、ロビーの製作したロボット達の電子回路を機能不全に陥れたりした。さらに指先から熱線を発し、強力な装甲すら溶解せしめ、まさに鉄人対抗兵器としての設計を伺い知る事ができる。

上記の機能に加え、頑健さ、パワーにおいても鉄人と互角以上であり、正太郎達は対処に大変な苦労を強いられた。実際、まともに組んだら鉄人には勝ち目が無いと判断した正太郎は、オックス自体の攻略を止め、飛行できる鉄人の移動速度の利を生かし、オックスを操る怪人達を翻弄するという消極的な戦法に終始している。事件解決後は警視庁の倉庫に保管されていたが、鉄人だけでは対処できない敵に対した際に正太郎に用いられ、鉄人と共に戦うようになる。そのタッグは強力であり、後の「強力な敵が、後に魅力的な味方となる」という路線の始まりともいわれている。実際、見開きのページでロビーのロボット軍団を蹴散らすシーンは連載当時の少年読者達は震えたに違いない。

弱点として空が飛べないという点が上げられるが、不乱拳博士の前作であるバッカスを見るに空を飛ばす技術が無い訳ではなく、飛べなくした理由があると推察される。これに関して、作中の台詞から「動力源のバキューム不足のために燃料消費が激しいであろう飛行装置を削除したのではないか」という説がある。しかし、その際のコマで戦闘機の設計図が見られる事から、バギューム動力説を疑問視する人もおり、「電子頭脳が大きくなり飛行装置が入らなかった」という説もまた有力である(この事に関し横山に質問した者がいるが、「昔の事なので忘れてしまった」そうである)。しかしながら、短期間の設計、突然の設計変更と急造にもかかわらず、その性能は充分に鉄人を凌駕しているといえる。

操縦はバッカスでも見られた腕時計型の小型操縦機で行われるが、バッカスと比べ自律性が高いので簡単な命令で行動していた。また、バッカスとの共通項として額の三角マークが上げられる。

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